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2021.9.24㈮~9.29㈬     10:00~18:00
小松啓美展 「華と修羅」
Gallery ESPACE       

噴華シリーズ「つぼみちゃん」について


今回は「噴華シリーズ」としてNO.1からNO.12までの作品を作りました。
どれも小さな一つの不思議な種から育ってきた「つぼみちゃん」です。

「つぼみちゃん」はこの混沌とした世界の暗い渦の中から、ある日、唐突にひゅるひゅるっと一本だけ生えてきました。そして、赤くてしっかりと閉じられた「つぼみちゃん」はどんな状況にも、わきめもふらず逞しく伸びてゆき、世界中のいたるところで力強くはびこっていこうとしています。

その見事な生命のらせんは、上へ上へとひたすら伸びていきますが、今、世界中に蔓延している災害や紛争といった下へ下へと渦巻いていくらせんとは、まるで対極を成しているように思えます。

それは、もしかしたら対の力を形成している現象なのかもしれません。

私はこの「つぼみちゃん」を描いていて、初めの内こそ、そのふてぶてしさに脅威をも抱いていましたが、描き進める内に、なぜか「つぼみちゃん」がだんだんと愛おしくなってきてしまいました。
命の誕生が神秘と畏敬を伴うものであっても、その姿は環境や仲間によって見え方が違ってくるように、私の目にはだんだんと人的に異化していってしまうようです。

そして、本当はまだ、実際につぼみは開いてはいません。
いつか、大きく開花するその時を私はドキドキしながら想像してしまうのです。                                                                                  

        2021.9.23  小松啓美
 

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