あるなしこくのきせき
Hiromi Komatsu Art World
2019.4.2~4.7 Hiromi Komatsu Exhibition
at Galerie Ciel
~遥かなる道程の途中で~
変貌する家族 Ⅰ 1030×728
ミクストメディア
変貌する家族 Ⅱ 1030×728
ミクストメディア
変貌する家族 Ⅲ 1030×728
ミクストメディア
変貌する家族 Ⅳ 1030×728
ミクストメディア
BEAUTIFUL MOON 728×515
ミクストメディア
金の輪っか 728×515
油彩・アクリル
「小舟に乗って」 F50
ミクストメディア
小舟に乗っていく
波の力こぶに優しく押されながら 何処とも知れぬ場所へ はるかな自分のいる方へ
幾年も海の底に静かに眠る精霊たちや 濃厚な養分を宿す地の糧と
弔いを終えた者たちとの固いきずなで いつしか新しい魂は復活のジャンプをとげる
文明の火は計り知れなく光り続けるけれど 命をのせた小舟はあまりにも小さく軽い
それでも喜々としたリズムを愉快に刻みながら 進もう、明日へ、未来へ
地上とはこんなところだった 728×2060
アクリル・油彩
ずっと暗く長いトンネルだと思っていた
そこを抜ければ明るい地平がきっと広がっていると思っていた
人がどこから来て、どこへ向かうのかいくら考えてもわからなかった
ぬかるみの中を這ったり走ったりした
長い棒で空をつついたり、足元を掘ってみたりもした
仲間もなく、言葉は宙を迷い、作られた面はあっけなくかき消され、叫んだ声は闇に吸われた
子供がデタラメな歌を歌っていた
何も知らない声で春の日差しのように軽やかに
わからなくて哀しいことは、わからないからこそ楽しいのだ
転んだ傷口からほとばしるのは何ともきれいな赤色
通じない言葉は記号のように笑いながら飛び交い、
泥は足元に不思議な模様を描いていく
誰も見ていなくても、ここで、ああ、こんなにも満ち足りていた
出口も入口も何もない筒の中を
両手をいっぱいに振りながら口笛を吹いて歩いていく子供がいる
それは私だろうか、あなただろうか、
そうか、地上とはこういうところだったのだ
パオとマオ 各 728×515 アクリル